アメリカ球界が見る「KOSHIEN-甲子園-」
「日本の高校球児は投げすぎだ」は本当なのか。
3年目を迎えた「休養日」。今だからこそ考えたい日本野球の在り方。
日本式の「投げ込み」に倣うメジャーリーガー
また、現役選手からも日本風の方法論に肯定的な声が聞こえる。2008年にドラフト指名を受けた後、長いマイナー生活を経て、2014年5月に27歳でメッツでメジャーデビューしたエリック・キャンベルも多くの球数を投げる松坂の調整方法には好意的だ。
「メッツに来て(松坂)ダイスケとチームメートになるまで、練習であれほど多くの球数を投げる投手にはお目にかかったことがなかった。ただ、その方法が効果を発揮しているように見える。日本人投手はそれほどケガをしないし、シーズンを通じて腕の強さを保てる。しっかりとしたプランを立て、それに忠実に沿って練習を積み、効果を発揮しているように思えるんだ」
このように、〝甲子園〟に端を発した日本人の多投カルチャーにもポジティブな面は確実にあり、それはアメリカでも認識されている。一部で伝えられているような、日本の調整法に絶対的な批判が集まっているわけではない。
2014年には田中、ダルビッシュといったビッグネームが相次いで故障離脱したが、それに〝投げ過ぎ〟が影響しているという確証はない。ペレスが触れた通り、若い投手に怪我人が頻発しているのはアメリカ、そして、それ以外の国の選手たちも同じである。』
さらには、メジャーリーグにもっとも多くの選手を輩出するドミニカ共和国においては、「甲子園」への強い興味を隠さない。<第二回へ続く>